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家族性高コレステロール血症(FH)&& LDLR | |||
Autosomal Recessive Hypercholesterolemia (ARH) && LDLRAP1 | |||
家族性低βリポタンパク質血症 && APOB | |||
無βリポタンパク質血症 && MTTP | |||
アポリポタンパク質A-I欠損症 && APOA1 | |||
アポリポタンパク質A-II欠損症 && APOA2 | |||
レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)欠損症 && LCAT | |||
コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)欠損症 && CETP | |||
アポリポタンパク質C-II欠損症 && APOC2 | |||
家族性リポタンパク質リパーゼ(LPL)欠損症 && LPL | |||
肝性リパーゼ欠損症 && LIPC | |||
III型高脂血症 ・リポタンパク質糸球体腎症 && APOE | |||
Tangier病 ・家族性低HDL血症 && ABCA1 | |||
シトステロール血症 && ABCG5 | |||
脳腱黄色腫症 && CYP27A1 | |||
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==遺伝性脂質代謝障害== | ==遺伝性脂質代謝障害== | ||
===HDL異常=== | |||
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;二次性高HDL-C血症 | ;二次性高HDL-C血症 | ||
: 原発性胆汁性肝硬変 | : 原発性胆汁性肝硬変 | ||
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===LDL異常=== | |||
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!width="50%"| LDL 低い | !width="50%"| LDL 低い | ||
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<!---スタチンはLDLを低下させます。現在わが国ではプラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンが使用されています。また、エゼチミブのような小腸コレステロールトランスポーター阻害薬もLDLを低下させます。---> | <!---スタチンはLDLを低下させます。現在わが国ではプラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンが使用されています。また、エゼチミブのような小腸コレステロールトランスポーター阻害薬もLDLを低下させます。---> | ||
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===TG異常=== | |||
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!width="50%"| TG 低い | !width="50%"| TG 低い |
Latest revision as of 06:16, 27 March 2013
遺伝子リスト
病名 | 遺伝子 |
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家族性高コレステロール血症(FH) | LDLR |
Autosomal Recessive Hypercholesterolemia (ARH) | |
家族性低βリポタンパク質血症 | |
無βリポタンパク質血症 | |
アポリポタンパク質A-I欠損症 | |
アポリポタンパク質A-II欠損症 | |
レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)欠損症 | |
コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)欠損症 | |
アポリポタンパク質C-II欠損症 | |
家族性リポタンパク質リパーゼ(LPL)欠損症 | |
肝性リパーゼ欠損症 | |
III型高脂血症 ・リポタンパク質糸球体腎症 | APOE |
Tangier病 ・家族性低HDL血症 | |
シトステロール血症 | |
脳腱黄色腫症 |
遺伝性脂質代謝障害
HDL異常
HDL 低い | HDL 高い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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LDL異常
LDL 低い | LDL 高い | |||||||||||||||
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TG異常
TG 低い | TG 高い | |||||||||||||||||||||||||
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- CETP欠損症
- コレステロールエステル転送蛋白(CETP)はHDL中のコレステロールエステルをVLDL、IDL、LDLなどのリポ蛋白へ転送します。わが国の高HDL-コレステロール 血症には極めて関係が深く、CETP欠損症ホモ接合体の総コレステロール値は中等度の増加、LDL-コレステロール値は正常ないし軽度低下、HDL-コレステロール値は130~250mg/dLと著増します。動脈硬化合併例も認められ、ハワイ在住の日系米人の調査で冠動脈疾患患者においてCETP欠損症の頻度が高いとの報告もあります。一方、HDLの合成増加による 高HDL-コレステロール血症では動脈硬化の発症が少ないと考えられます。
- 参考
- ↑ 一般の臨床検査でLDL-コレステロール値を直接測定する簡便な方法はありません。LDL-コレステロール値を求めるときには総コレステロール値からHDL値を引き、さらにTG値を5で割った値を引くFriedewaldの計算式を使うのが望ましいと考えられます。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン (2007)
- 高LDLコレステロール血症は危険因子
- 高LDLコレステロール血症は冠動脈疾患[1]および脳梗塞[2]の重要な危険因子です。
- 冠動脈疾患、脳梗塞の発症を予防するためには、高LDLコレステロール血症を中心とした脂質異常を改善しなくてはなりません。
- 高LDLコレステロール以外の危険因子
- LDLコレステロール以外の主要危険因子は、高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴、低HDLコレステロール血症、男性・加齢です。[1]
- メタボリックシンドロームは、LDLコレステロールとは独立した重要で危険な病態です。[2]
- 予防について
- 一次予防(リスク保持者)においては、高LDLコレステロール血症以外の動脈硬化危険因子の数を評価することが重要で、それに応じてLDLコレステロールの管理目標値を設定します。[2]
- 一次予防において、まず重要なのは生活習慣の改善です。[1] 生活習慣の改善は、薬物療法が開始されたあとも継続してください。
- 二次予防(冠動脈疾患の既往者)においてはLDLコレステロール100mg/dL未満を目標にすることが勧められます。[2]
- 解説
診断基準値
- 脂質異常症の診断基準(空腹時採血)
この診断基準は薬物療法の開始基準を表記しているものではない。 薬物療法の適応に関しては他の危険因子も勘案し決定されるべきである。
高LDLコレステロール血症 | LDLコレステロール ≧ 140 mg/dL かつ 総コレステロール ≧ 220 mg/dL [1] |
---|---|
低HDLコレステロール血症 | HDLコレステロール < 40 mg/dL [2] |
高トリグリセライド血症 | トリグリセライド ≧ 150 mg/dL [3] |
- リスク別脂質管理目標値
脂質管理と同時に他の危険因子(喫煙、高血圧や糖尿病の治療など)を是正する必要がある。
治療方針の原則 | カテゴリー | 脂質管理目標値 (mg/dL) | |||
LDL-C以外の 主要危険因子[4] |
LDL-C | HDL-C | TG | ||
一次予防 まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する |
I (低リスク群) | 0 | < 160 | ≥ 40 | < 150 |
II (中リスク群) | 1-2 | < 140 | |||
III (高リスク群) | 3以上 | < 120 | |||
二次予防 生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する |
冠動脈疾患の既往 | < 100 |
- 参考
- ↑ この値はNIPPON DATA 80の疫学調査データをもとに、総コレステロール(TC)値が 160 mg/dL 未満の場合に比べて相対危険度が 1.6 倍となるように算出されています。米国NCEPによる基準はTC値、LDL-C値がそれぞれ 240 mg/dL, 160 mg/dL ですが、これは相対危険度 2.0 倍を指標に算出するからです。
- ↑ 低HDL-C血症が動脈硬化性疾患の危険因子であることはすでに確立されています。HDL-C値には性差がありますが、それを反映させるかは今後の検討課題です。
- ↑ TG値と動脈硬化の関係を示すコホート研究があります。
- ↑ LDL-C値以外の主要危険因子
加齢(男性≧ 45 歳 、女性≧ 55 歳 )、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患
の家族歴、低HDL-C血症(< 40 mg/dL)
- 糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーⅢとする。
- 家族性高コレステロール血症については下記の章を参照。