JCBL:57/挨拶
第57回日本脂質生化学会を開催するにあたって
- 実行委員長 新井 洋由
この度、第57回日本脂質生化学会の実行委員長を仰せつかりました。久しぶりの東京での開催となります。都内では、5〜6月が企業の株主総会等の時期に当たり、例年の金・土曜日とはできず、5月28(木)・29日(金)の開催となります。場所は、地下鉄神保町駅近くの「一橋講堂(学術総合センター内)」で行います。東京駅からも歩いて2kmですので、健脚の方は内堀通りに沿って皇居など眺めながらお越しいただくのもお勧めです。会場からすぐ近くに皇居の平川門がございます。平川門は江戸城の裏門で、大奥に最も近いので大奥女中達の出入りする通用門でもありました。そのような風景を想像しながら、周辺を散策して頂くのも一興かと思います。
今大会のテーマは「脂質生物学の将来に向けて」とし、一般口頭発表に加えまして、シンポジウムを2件、特別講演を1件行います。一般口頭発表は、例年とは異なり基本的にすべて15分(討論を含む)の発表と致します。また多くの若手の参加を期待しまして、学生には10分(討論を含む)の発表を企画致しました。シンポジウムの一つは、「将来を見据えた脂質生物学(仮題)」と題し、横溝岳彦先生(順天大医)、有田誠先生(理研)にオーガナイザーをお願い致しました。脂質生物学においては、脂質メディエーター、細胞内シグナリング脂質、生体膜脂質、栄養素としての脂質等の機能、を中心に研究が大いに進んで参りました。最近、脂質メタボローム技術・可視化技術等も進歩し、今後、脂質生物学の更なる発展が期待されます。本シンポジウムでは、今後どのような脂質研究が期待されるかを会場全体で議論したいと考えています。もう一つのシンポジウムは、「New comers in lipid biology(仮題)」と題し、西島正弘先生(昭和薬科大)、平林義雄先生(理研)にオーガナイザーをお願い致しました。 ここでは、最近脂質生物学の分野でご活躍されている研究者で、従来脂質生化学会にはあまり参加されてこなかった方々を紹介し、脂質生物学の更なる発展を目指すシンポジウムにしたいと考えております。また、特別講演は、脂質生物学の分野で長年多くの業績を残してこられました国立国際医療研究センター研究所長の清水孝雄先生にご快諾を頂きました。
懇親会は、学会場から徒歩1分の学士会館で、初日の夕刻開催となります。東京開催で、特別な料理、余興など用意を出来ませんが、世代を超えた親交を深めて頂きたいと存じます。最後に、これまで日本の脂質生物学は大いに発展を納めてきた事は言うまでもありませんが、この成功に甘んずる事無く、これから益々発展していく脂質生物学の将来像をこの会を通して創造して頂ければ誠に幸いに存じます。
学生、大学院生も含めまして、多くの研究者の方々の参加をお待ちしております。