JCBL:59/挨拶

第 59 回日本脂質生化学会を開催するにあたって

実行委員長 梅田 眞郷

平成 29 年 6 月 15 日(木)、16 日(金)の両日に、京都大学百周年時計台記念館にて第 59 回日本脂質生化学会を開催させて頂くこととなりました。京都での開催は、平成 3 年に鬼頭誠先生が第 33 回大会を開催されて以来 26 年ぶりとなります。平成 3 年当時と比べますと、京都市を訪れる観光客が増加しておりまして、特に外国人宿泊者数は年間約 40 万人から 320 万人へと急増しております。このため、京都での宿泊場所の確保が難しくなっております。皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒お早めの宿泊施設のご予約をお願い申し上げます。

今大会の特別講演では、成宮周先生(京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター長)をお迎えし、「薬物からサイエンスへ、サイエンスから薬物へ;私の薬理学の冒険」という題目にてご講演いただきます。また、「疾患制御の分子リピドロジー」と題したシンポジウムでは、植田和光先生(京都大学)と佐藤隆一郎先生(東京大学)にお世話頂き、脂質・コレステロール代謝、脂質代謝を制御する転写因子、脂 質代謝と肥満や炎症等々のトピックスについて最新の知見をもとにご議論頂きます。もう一つの「生体膜脂質のダイナミクスと細胞機能」と題したシンポジウムでは、池ノ内順一先生(九州大学)と原雄二先生(京都大学)にオーガナイザーをお願いし、細胞生物学の分野でご活躍されている若手の先生方を中心に、細胞の極性形成、ラフト形成、オルガネラ間脂質輸送、オートファジー、骨格筋の形態形成等における膜脂質の動態と 機能についてご紹介頂き、脂質生物学の新たな展開の可能性についてご議論頂きます。一般口頭発表は、例年と異なりすべて 15 分(討論を含む)といたしました。また、脂質生化学の将来を担う学生諸君のより一層の参加を促すべく、学生の事前参加登録費を 2 千円、当日参加登録費を 3 千円といたしました。最後に、株式会社島津製作所とカールツァイスマイクロスコピー株式会社のご支援を頂き二つのランチョンセミナーを企 画いたします。

懇親会は、時計台記念館内の国際交流ホールにて 15 日(木)の夕刻より開催いたします。無骨な私には京都ならではの、はんなりした「おもてなし」は望むべくもないのですが、古いものと新しいものが共生する古都の一角で新しい創造に向けた交流の場がご提供できれば幸いです。

多くの学会会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。